ITサービスマネージャ

顧客のニーズを踏まえて日々の業務改善をしていくための仕事

マザーボード「ITサービスマネージャ(SM)」は、顧客からの要望を受けて情報システムを提案していくための資格です。

資格試験はIPA(情報処理推進機構)によって主催されており、「ITストラテジスト」や「システムアーキテクト」といった試験同様に、専門的なITの技術・知識を備えた高度人材を育成するために実施されています。

資格の位置づけとしては、専門的なプログラミングやネットワークシステムについての知識を備えつつ、それを利用して顧客の要望に沿ったサービスを構築していくための技能を育成するものです。

ITサービスやシステムを新たに提案していくときには、利便性や効率性だけでなく安全性についても高い知識を備えていなければいけません。

また実際の運用に入ってからの安定稼働を確保したり、障害発生時に迅速に対応をしていく姿勢が必要になってきます。

「ITサービスマネージャ試験」は、そうしたITサービスやシステムの実態を鑑み、どういった運用・管理が最もそのサービスに適しているかということを提案していきます。

当然そうした新たなシステム設計は単独で構築できるものではなく、ほかの高度IT技術者の他、顧客システムを熟知しているスタッフ、さらに実際に構築作業を行うSEやPGとの連携が必要です。

「ITサービスマネージャ」はそうしたプロジェクトを進めていくときのマネジメントも同時に担当していきます。

現場における「運用管理チーム」「オペレーションチーム」「サービスデスクチーム」など必要になるチームのリーダーとして、顧客と現場の橋渡しをします。

マネジメントで重要になる提案力

「ITサービスマネージャ」の資格試験は、毎年10月の第3日曜日に実施されています。
年間の応募者数は約5000人程度で、合格率は平均14.1%です。

他の高度IT系技術者試験同様に難易度の高い試験となっており、専門の学習をしないで合格をするというのは相当難しいと思った方がよいでしょう。

試験は午前ⅠとⅡ、さらに午後ⅠとⅡという4部構成になっており、毎年この4つの試験を一日の中で行います。

午前のⅠとⅡはいずれも多肢選択式のマークシート試験で、午後Ⅰは記述式試験、午後Ⅱは論述式試験です。

試験の内容は実際のITシステムの運用の現場で起こることがもとになっており、通常の運行管理だけでなく、障害児運用管理、性能管理、構成管理といったことをするための手順が問われます。

サポート業務を行なっていく時の顧客への説明などについても専門的な知識が問われるようになっており、信頼性の高いシステム構築をしていくための学習をしていきます。