プロジェクトマネージャ

現場でチームをまとめる重要な役割

情報処理「プロジェクトマネージャ(PM)」試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する現場でのマネジメント業務をする人のための資格です。

情報処理技術者試験の中でも高度な知識・技能を必要とする専門職の一つとして位置づけられており、主にプロジェクトを実施していくときのリーダーとなる人を対象としています。

プロジェクトマネージャは、SEやPG同様IT開発の現場において当然に置かれる役職となっており、顧客と現場スタッフの間に立って進捗を管理していく非常に重要な役割です。

優秀なプロジェクトマネージャがいるかどうかでそのプロジェクトが成功するかどうかが決まると言ってよく、特に人材不足が深刻であると言われている分野でもあります。

プロジェクトマネージャの主な業務は、IT関連業やITベンダーに勤務をしてまず顧客や自社の営業担当者と話し合い、プロジェクトの全容を決定していきます。

具体的にどういった規模でどのようなシステムを作りたいのかということが明確になったら、次に決めていくのはスケジュールや予算、人員の確保などです。

プロジェクトマネージャは顧客や営業担当者にIT系技術者としてどういったことができるかを説明し、その中から現実的な開発方法を提案していきます。

つまり最初の段階でプロジェクトマネージャがIT技術や開発に不勉強であったり、しっかりと予算や人員の管理ができなかったりしていると、プロジェクト全体が途中でぐちゃぐちゃになってしまうということです。

プロジェクトの責任者として求められる資質とは

「プロジェクトマネージャ」試験は毎年4月の第3日曜日に実施されています。
受験者は毎年約1万6千人程度で、これは他の試験と比べかなり多めです。

しかし合格率は平均で14.5%と低い水準となっており、なかなか簡単に合格をすることはできません。
試験は午前ⅠとⅡ、午後ⅠとⅡという4部構成で、全ての試験を一日のうちに受験します。

午前Ⅰは制限時間50分の多肢選択式、午前Ⅱは制限時間40分の多肢選択式でいずれもマークシート方式となっています。

午後試験はⅠが90分の記述式、Ⅱが120分の論述式です。
合格するためには全ての試験で及第点以上を取得するとともに、総合で合格点に達する必要があります。

試験そのものも非常に難しいですが、プロジェクトマネージャは現場に出てこそ、その厳しさを強く感じることになるでしょう。

ほとんどの開発の現場では低予算や無理な納期設定により、現場がしわ寄せを受けて危険な開発状況となっていたりします。

いわゆるIT企業のブラック化の原因がここにあるため、IT業界全体の就業環境を改善していくためにはより優秀なプロジェクトマネージャが一人でも多く誕生することが期待されているのです。