ネットワークスペシャリスト

企業SIerとして勤務するときに便利な資格

ネットワーク「ネットワークスペシャリスト(NW)」は、IPA(情報処理推進機構)が実施している高度な知識・技能を備えるための資格試験です。

「ネットワークスペシャリスト」は「ITストラテジスト」や「システムアーキテクト」などと並ぶ難易度の高いIT人材育成のための試験であり、専門的なネットワーク構築に関する知識が出題されます。

高度IT人材育成のための分野は数多く存在していますが、中でもインターネット通信をもとにした社内外のネットワーク構築は高い知識が必要となります。

というのもネットワークは安易な構築方法をしてしまうと外部からの侵入を許してしまったり、反対に内部に保存していた重要な文書が漏洩してしまう事になってしまうからです。

近年では大企業による情報漏えいが重大な事件として取扱をされていますので、万が一にも重要な情報が外部から盗まれることのないよう、責任を持ったネットワーク構築をしていく必要があります。

企業におけるネットワーク責任者は「Sler」と言われることが多く、業務として「システムインテグレーション(SI)」を行うことからそのように呼ばれます。

システムインテグレーションとは、システムを構築する場合にそのユーザーとなる人達の業務を把握・分析し、ユーザー課題を解決するための方法を考えていくという役割のことです。

そのため現場で実際にシステム構築作業を行う「SE」とは異なる上位資格として、経験や高度な資格取得が求められます。

就職業界としてはIT関連企業の他、通信系企業、通信設備企業、ネットワーク関連会社などがあります。

今後もより一層需要が増える仕事

ネットワークスペシャリスト試験は毎年10月の第3日曜日に実施されており、合格率は平均で15.4%です。
この合格率から見ても他の試験と比較してかなり難易度が高く、それだけに取得者への信頼性は高いものとなります。

試験においてはシステム基盤についての知識とともに、企画・要件定義・開発・運用・保守の現場における必要な技能が問われます。

システム開発の専門家として他の資格者と現場の作業者とともにプロジェクトを進めていくことも多く、しばしばマネジメント業務も担当することもあるでしょう。

ネットワークスペシャリストは単にIT技術面で高度な知識を持っているだけでなく、それぞれの業種や業界で必要となるシステムについて熟知し、そこから要件を定義していく能力が求められます。

論理的な設計能力と、それをクライアントに説明する提案力の両方が問われる難しい仕事であることから、今後も幅広い分野で人材が必要にされていくことになるでしょう。