エンベデッドシステムスペシャリスト試験とは

「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」取得に必要なスキル

「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催をしている高度IT人材を育成するための資格試験です。

その前に「エンベデッドシステムスペシャリスト」というとまるで舌を噛みそうな名称ですが、こちらは英語では「Embedded Systems Specialist Examination」となります。
この「Embedded Systems」は、日本語に直訳すると「組み込みシステム」ということです。
「組み込み」というのはIT開発の専門用語で、家電製品など機器類として販売されている製品の内部に使用するシステムのことを言います。

わかりやすく具体例を出すと、デジタルカメラや白物家電などは内部の機能を制御するためのソフトがあらかじめ入れられています。
それらは一般向けのPCで使用されるWindowsやiOSといったものとは異なる独自の機能を持つものです。

つまり「エンベデッドシステムスペシャリスト」というのは、そうした製品に使用される独自のプログラムを開発するための専門的な知識を持った人材ということになります。

資格を取得することでできる仕事内容

組み込みシステムの開発は、通常のパソコンを使用した開発案件とは仕様も開発方法も異なります。
そのため業務に携わる人材は独自の技能を学習しなければいけません。
そこで「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」では、現在主な現場で使用されている組込みシステムの開発をするための基礎的な知識を学び、どの現場でも通用する汎用性のある知識を得ることができます。

IPAの実施する試験としては「エンベデッドシステムスペシャリスト」は基本情報技術者試験、応用情報技術者試験の上位にある資格となっています。
受験資格は特にありませんが、この2つの資格に合格するレベルの技能が予め備わっていないと合格はかなり難しいでしょう。
資格を取得することで、家電メーカーやカメラメーカー、スマートフォンの開発などの現場で仕事をしていくことができます。

試験概要・難易度

エンベデッドシステムスペシャリスト試験の合格率は平均で約17.8%程度で、他のIPAの高度IT試験の中では比較的やさしめです。
ただ、組み込み開発という分野自体がIT系業務でもかなり専門性が高く、あまり受験者が多くないということも関係しています。
就職先も限定的になることから、かなり専門的な分野で仕事をしたいというときに選ぶ資格と言えるでしょう。

試験は午前・午後合わせて4部構成となっており、午前中は多肢選択式、午後は記述式により回答をしていく形式です。
出題範囲としては、午前中はプログラミングやアルゴリズムの基礎知識や、コンピューターシステムの構造についてがメインで、午後からはテクノロジーや技術・開発について具体的な内容で出題されます。