診療放射線技師

診療放射線技師の主な仕事内容

診療放射線技師は、病院や診療所の中で行われる治療のうち放射線を用いる医療機器を扱う専門職です。病院

放射線というとおそらく多くの人が原子力発電や武器使用されている放射能のことを思い浮かべて怖いイメージが先に来ると思いますが、実は放射線は私達の身近なところで数多く利用されています。

その中の一つがこの放射線を用いた医療機器で、専用の機材を用いて人体に放射線を浴びさせることにより難しい病気への高い治療効果を生み出すことができます。

代表的な機器として「X線撮影」や「消化管造影」「CT検査」といったようなものがあります。
他にもガンなどの治療で使用される「放射線治療」のための機材も診療放射線技師によって取り扱われるものの一つです。

とはいえ放射線は便利な反面で使用方法を間違うとそれが人の体に悪い影響を与えてしまうものにもなってしまうので、適切に扱うには専門的で高度な知識を持っていなければいけません。

診療放射線技師はそうした放射線の危険を十分に理解した上で、安全に治療を進めることができる知識を備えるための資格です。

診療放射線技師になるには

診療放射線技師は他の医療系資格と同様に専門の学校に進学して実習を含む課程を受けなければいけないこととなっています。

一般的なルートとしてはまず高校卒業をしたのちに文部科学大臣が指定する診療放射線技師のための講座がある学校に進学します。
学校は大学や短大の他、医療系専門学校でも多く開講されています。

診療放射線技師のための課程は最低でも3年以上となっており、必要な単位を修得したのちに国家試験を受検します。

国家試験は毎年1回2月下旬に行われ、専門学校などでは最終年度の卒業見込者が受検をすることができます。

試験の合格率は73.8%(2015年度試験)となっており、学校卒業が受験条件となる試験としては難しいと言えます。

診療放射線技師は昭和58年に法律が改正されるまでは「診療エックス線技師」と呼ばれていましたが、現在ではX線以外にも放射線を用いた医療機器が増加してきたこともあり名称が変更されています。

診療放射線技師に向いている人

診療放射線技師の適正としては、何よりもまず「絶対にミスをしない」という慎重さを持っているということです。

医療系の資格はどれもそうだといえますが、自分自身のちょっとしたミスのために患者さんの生命や健康に重大な影響を与えてしまうということもあります。

特に診療放射線技師が扱う機器類はどれも危険度の高いものが多く、大事故を起こしてしまう可能性は他の検査技師よりもかなり高くなります。

また放射線を用いた医療機器はまだ技術的に完成されたものではなく、毎年のように新しい技術や機器が導入されています。

そうした新しいタイプの機器が登場してきた時にいち早くその性能を理解して使いこなせるようになっていかなければいけません。

そのため資格さえ取得すればあとは一生その技術が生かせるというようなのんびりしたものではなく、生涯をかけて勉強をしていくというような前向きな姿勢が求められます。